MusicサーバのFAQ/Q&A集です。
お問い合わせいただいたものの中から選んでご回答申し上げます。
Q1: Musicサーバの構成はどんなものですか?
A1: 私どもで推奨しているMusicサーバ構成は
(i) 弊社Musicサーバ
(ii) インターネットに接続できる環境(Q2に注あり)
(iii) 曲名を指定するためのWebブラウザを装備した端末またはパソコン。(Q3に追加あり)
Windowsで同一LAN上にあるノートPC、または無線LANからAndroid、iPhone、iPod TouchなどWeb画面でマウスまたは他のポインティングデバイスが使えるもの。Musicサーバの無線LAN接続は外付けオプションです。
Q2:インターネット接続が必要とありますが、音楽を聴くためだけにも必要ですか?
A2: リッピングしたCDの曲名、アルバム名を特定するのにインターネットから検索しています。
既にサーバ上に曲名入りで入っているファイルの再生だけでしたらインターネットは使わなくても利用可能です。
Q3: Musicサーバ単体では画面はないのですか?あるいはMusicサーバ単体だけで動作しますか?
A3: Musicサーバでは液晶モニターとマウスが付属していません。
オプション(20,000円前後)で液晶モニター、マウス、キーボードを付けますと画面が出ます。この画面でWebブラウザを利用してMusicサーバとネット接続だけでも利用できます。
そのうえLINUXのコマンドが使える方でしたら色々複雑な操作もできます。
Musicサーバ、発表以来大変好評です。
そこでどんなものかが分からないので導入に踏み切れないと言う方のために解説を書いてみました。
以下のような目次でこの記事のスレッドとして書いていきますのでよろしくお願いします。
はじめに Musicサーバって何?
1.Musicサーバの主な機能
2.Musicサーバの使い方
3.その他
はじめに
Musicサーバって何?
Musicサーバは英国・米国で開発された音楽を簡単にコンピュータをそれほど意識せずに楽しむためのサーバソフトです。こんなことができます。
ネットワークに接続したそのときから、
・ネットワーク上で大容量ストレージとして動作します。
いわゆるNAS=ネットワークでアクセスできるディスクストレージの機能です。この機能でWindowsの再生ソフトからも指定して再生できます。
・どんどんCDをリッピングして片付けましょう。
手持ちのCDをリッピングして収納
音楽CDを挿せば音楽データを自動的にアルバム名、曲名、アーティスト名をインターネットで検索して1曲ごとにファイル、アルバムごとにフォルダとして自動収納します。
取り込み(リッピング)が終了すると自動的にCDはイジェクト(排出)されます。
おおよそですが、CD1000枚でHDDが400GBあれば収納できます。1TBのHDDを持つMusicサーバは2000枚程度のCDが収納できます。
・単体で音楽再生も可能
Musicサーバという名前ですが、内蔵のオンボードサウンドチップでアンプ付きスピーカを接続していただけばMusicサーバ単体で音楽再生もできま
す。画面はiPadやノートPCのインターネットブラウザを使い、アルバム、曲名、プレイリスト指定で再生できます。画面もMusicサーバで指定するこ
とも可能です(X-Windowをオプションインストール)
・ハイサンプリング対応
DACが対応していますと、192K/24bitのflacファイルまで再生可能です。
・iTunesでも再生できる
iTunesでもサーバとして動作します。画面を見てください。共有設定したVortexBoxというMusicサーバからflacファイルを再生しています。
・DLNA/MPDクライアントでの再生
Musicサーバのファイルはdlnaクライアント(レンダラー)があるシステムでしたら再生可能です。
評価用システムはhp製のPC(古いタイプです)とUSB DACを使ったCD専用リッピング/NAS/再生システムとしてご試聴もできます。
1.1.4 NAS機能
Musicサーバは市販のNAS機器の多くが採用している基本ソフトSambaの最新版を採用しています。
したがって性能、あるいは機能においてNASとしての機能を十二分に発揮します。
1.1.5 SqueezeBox (Slim Device)サーバ機能
少し前に米国で流行したSLim DeviceのSqueezeboxがWindowsでも動作するようになりました。
画面はWindowsXPでSlim Deviceのエミュレータソフト(SoftSqueeze/シェアウエア)を動作させている状態です。
1.2 Musicサーバの導入の前提
1.2.1 ネットワーク環境
Musicサーバの導入はご自宅にインターネットがアクセスできる環境があることが前提です。
ルータがあるご家庭でDHCPアドレスが各PCに配信されるしくみがあるところとそれがないところの接続方法が違います。DHCPが配信されるところの導入は比較的簡単です。
インターネットはCDデータを読み、アルバム名、曲名、アーティスト名を検索するのに利用します。
またローカルネットワークは別のPC/iPadなどから再生指定するのに必要です。
1.2.2 良質なアンプとスピーカ、できればDAC
機能は一見良くできたカーステレオと一緒です。
ただし音質は良いPC(電源がしっかりしている)と良いDAC、それにハイサンプリングソースの利用で各段に向上します。
私どもが提案するサーバはこれに考慮して単体のオンボードサウンドチップでもある程度の質が得られるように工夫しています。
2. Musicサーバの使い方
高品位な音質で音楽CDを聴きたい方(うまく使うと数十万円のトランスポートより良い)には最適です。
特に高級なDACを持っていて改めてLINNのDSなどがカッコイイけど高いとお考えのあなたにも最適です。スタートは7万円からです。
ラトックのRAL-2496UT1とか私どもで販売しているWavelength AudioのThe Wavelinkとかを利用することで高級DACにも接続できます。
2.1 システムの導入
それほど古くないPCが空いていれば4万円くらいからシステム構築できます。
まず私どもにネットワーク環境、再生指定する方法についてご希望をメールか電話でお寄せください。
以下に順に使い方について記していきます。
2.1.1 ネットワーク接続
家庭内のLANに接続してください。
別のコンピュータで再生させる、あるいはNASの使い方ですと有線のほうがデータが途切れたりしないため、推奨できます。
無線LANしかないと言う方には無線LAN接続用オプションが+15,000円です。
DHCPサーバ(通常はブロードバンドルータが持つ機能)があればそのまま接続は終了です。
この調査と設置については別途ご相談ください。
2.2 DAC経由でアンプに接続
MusicサーバをDAC経由でアンプに接続します。
Webブラウザで添付のような画面で設定します。
この設定は少しLINUX/alsaに知識がないと難しいかも知れません。都内・近県でしたら、出張技術料(移動時間別ですが作業1時間あたり2,500円、10,000円最大)で設置サポートいたします。
さぁこれでほぼ準備は完了です。
2.3 リッピングしてみる
CDを入れて早速リッピングしてみましょう。
>>3
[リッピングから続く]
リッピングは簡単です。音楽CDをMusicサーバのCD(DVD)ドライブに入れるだけです。
後は自動でリッピングしてMusicサーバで再生できるアルバムとして登録されるとCDがイジェクト(排出)されます。
さぁこれで再生の準備は整いました。
まずは別のコンピュータからhttp://vortexbox
とURLを入れてください。これで画面に添付の画面が出てくるはずです。
ここまで来たらきちんとネットワークもつながっています。
2.4 いよいよ再生@Musicサーバ
ここでは再生もMusicサーバで行う例で説明します。
Webブラウザ上で指定するとVortexBox Playerと言うソフトがMusicサーバ内で再生を実行します。
専門的にはMPDデーモンに対するクライアントソフトです。
曲目の指定は画面上で行います。添付の画面左側に並んだアイコンのうち、家のマークの下にあるアイコンをクリックするとSqueezeBoxのサーバ画面となります。
ここで指定したアルバム、曲、プレイリストを本体で再生できます。
先ほどリッピングしたアルバムがMy Music→Albumとクリックして出てくればリッピングも正しく行われています。
オンボードサウンド以外のデバイスに音を出したいときは同じくWebからデバイス指定をすることで音が出ます。
選んだアルバムのプレイマーク(横に突き出た▲)
をクリックすると再生が始まります。
出ましたか?
出ないとしたらデバイス設定がおかしいケースがほとんどです。
[音が出ないときの対処]
WebブラウザでMusicサーバのアドレスを指定し、添付の画面を開きます。
ホーム画面でスピーカのようなアイコンをクリックするとVortexBox Player(再生ソフト)のデバイス設定画面が出てきます。
ここでAudio Deviceの項目がどうなっているかを調べてアンプに接続されているDACデバイス(サウンドカード、サウンドボックス)を指定します。
この画面の例ではhw:0,0で、カード0のデバイスM20=MSB technologyのDACが選択されています。
オンボードのサウンドは1ですのでhw:0,0をhw:1,0のように変更します。
そしてSubmit(転送)ボタンを押しますと変更がMusicサーバの設定に反映されます。
これで出力ができるはずです。
もしできないときはこの後でrebootして正しくデバイスが設定されていることを確認してから再生してみてください。
Q4: Musicサーバにリッピングだけさせてfoobar2000などのWindowsマシンで再生させることは可能ですか?
A4: MusicサーバはNAS機能を備えていますので同一ネットワークにつながっているPCのfoobar2000でNASとしてのファイル群をAdd Directory(フォルダー指定)やAdd file(ファイル指定)で再生させることができます。
Q5: iTunesで再生させることは可能ですか?
A5: MusicサーバはDAAP(iTunes)サーバ機能も持っています。
iTunesで「共有」を正しく設定すると同一ネットワークにつながっているPCのiTunesから画面指定して再生できます。
Q6: 接続デバイスで実績のあるものは?
A6: 色々あります。内蔵のサウンドチップ=オンボードサウンドチップのほとんどが対応しています。Musicサーバだけで再生するのはオンボード・サウンドが使えます。
デバイスとしてalsa 1.0.23でサポートしているDACまたはデジタルオーディオデータを出力できる機器なら再生できます。
サポートされている機器のリストは以下から該当のものがあるか探してください。
http://www.alsa-project.org/main/index.php/Matrix:Main#ALSA_SoundCard_Matrix
現在まで試したデバイスは
(i) MSBテクノロジー社製USB2インターフェイス(384KHzまでOK)
(ii) Wavelength Audio / The WaveLink(192KHzまでOK)
(iii) ラトックRAL-2496UT1 USBヘッドホン、トランスポート(96KまでOK)
(iv) オンボードサウンドチップ
(v) TI 270x USBオーディオチップ(48KHzまで)
などです。目安としてはWindows/MAC OS/Xでドライバがあるもの。あるいはMacOS/Xでドライバなしで動作するとされている機器でしたら接続できる可能性が高いです。
Q7: Musicサーバでの肝心の音質はどうですか?
A7: 基本的にはPCの電源、ノイズ環境に大きく影響を受けます。
私どもの経験では今まで最も良かったのはhp製の小型デスクトップで構成したMusicサーバにUSBでMSBテクノロジーのDACを接続した構成です。
foobar2000でMusicサーバのファイル再生と比べても電源のしっかりしたPC(hp製はその例)ですとMusicサーバ単体だけで再生したほうが良いようです。
ただしPCを低価格の電源が簡易型のものに換えると音質は低下しました。
現時点ではCDリッピングデータの再生に関する限りはMusicサーバ単体+USB DACが好結果です。
最高級のCDトランスポートと同等で機能は上です。
Q8: 価格を抑えた構成でできますか?
A8: できます。
新品構成で比較的安い構成では再生データが96KHzまでですが、MusicサーバとラトックのRAL-2496UT1などでしたら、10万円くらいでスタートできます。
Q9: お試しセットはないのでしょうか?
A9: ネットワーク設定があるため、単体で動作するものでしたら用意できます。
試してみたいができるだけ低価格でという方は
・hp製のデスクトップの中古機(写真のdc5700SFなど)
-100枚以上のCDを収納できる(HDD80GB)
でのテスト用導入を4万円で承ります。液晶モニター、キーボード、マウスは付属しませんので、別途ご用意いただきます。
この例では192KHz/24bitまでオンボードサウンドチップで再生が可能です。
・このHDDは後で大きなタイプに移行可能です。
・さらに特典として192KHzの2Lのデモ音源が5曲付属します。ハイサンプリングの凄さを味わってください。